NICU看護師から成人看護師への転職!経験談を踏まえお話します!

NICU看護師の皆さん。こんな事で悩んでいませんか?
- NICU経験のみで成人病棟に転職ってできるのかな。
- 転職して後悔しそうだから転職できない。
- 成人病棟転職後ってどんな環境かイメージが付かなくて勇気が出ない。
そんなNICU看護師さんのために!
今回NICUから成人病棟への転職経験のある私が「転職の流れ」と「転職後どうだったか」経験談を交えてお話していきたいと思います。

記事を読むメリット
- NICUから成人への転職のきっかけを知る事ができる
- NICUから成人への転職の流れを知る事ができる
- 成人病棟転職の大変さ・楽しさ(良かったこと)を知る事ができる

私が転職したきっかけ
もともと私は助産師を目指していたので「赤ちゃんと関われる部署」であるNICU看護師として1年目から働いていました。
看護師1年目~3年目までは「NICUは5年で1人前!だから、5年は絶対頑張る!」と日々奮闘していたのですが、4年目になった時にその考えは一転。「もうNICUの看護師として働けない」そう思うようになりました。
そのきっかけとなったのが、新しく入職した医師の存在。私は「自他ともに認める不器用」「要領が悪い」性格で、一方その医師は「無駄な事が大嫌い」でテキパキと要領よくこなす正反対の性格でした。
医師としては、要領の悪い私の存在が気に食わなかったようで、他のスタッフの時は笑顔でも、私と関わる時は態度が変わり、怒号が飛び交う事もありました。
そんな毎日を過ごしているうちに、NICUの看護師として小さい赤ちゃんと関わる自信もなくなり、4年目半ば(9月頃)に本格的に退職を意識するようになってしまいました。

確かに出来る事ならNICU退職後、一度看護職を休憩しようと思ったのですが、
- このまま休憩してしまったらもう看護職には絶対戻れない
- 時間置いて転職するにも今の知識・技術だけではどこにも行けない
そう感じていました。

NICUからの転職活動
人生初の転職サイト登録
転職を決めたのが4年目の9月。何から始めていいか分からなかった私は転職サイト看護のお仕事 に登録をしました。
看護のお仕事 では職場探しはもちろん、履歴書の書き方・面接対策・面接への同行までしてくださり、初めての私でもスムーズに就職活動ができました。


就職先の選定
通常病院の採用が始まるのが4月~に対し、転職を思い立ったのが9月だったので、その時点で就職先も限られている状態ではありました。
そして、転職の時に私の足を引っ張ったのが・・・
病院によって「NICU経験のみ」だと受け入れてくれなかったり、「NICUで4年も経験している」という所で断る職場もありました。


そのため、自分の理想ではなくNICU経験のみの私でも受け入れてくれる病院をベースに探しました。結果的には、2つの病院に採用を頂き、そのうちの1つに入職が決定しました。
転職後の生活
看護師経験5年目に突入した、翌年4月〜中途として新しい病院・病棟で働きはじめました。
転職後大変だったこと
1.点滴・内服の指示の違い
NICUでは全ての点滴・内服を医師の指示通りの時間で実施をします。そのため、「何時にこの点滴」と時間が明確に決まっているため、指示通りに投与すれば大丈夫でした。
しかし、成人の場合はそうはいきません。点滴の投与・交換のタイミングは患者によって異なる事も多かったですし、NICUには絶対になかった頓服薬(患者の症状に合わせ使用する薬)もありました。
そのため、点滴・内服時に看護師自身の判断が必要な事もあり、最初の頃は戸惑う事も多々ありました。


2.初めてのケアばかり
初めてのケアしかなく、中途にもかかわらず新人状態でした。
赤ちゃんの清潔ケアは数枚のガーゼで全身を拭いたり、沐浴をする形なのでベースのケアから全く違います。そのため、初めの頃は陰部洗浄さえもままならず、結構注意されました。
ナースコール初めて、車いすに移乗・移送も初めてです。そして、一番ひどかったのがルートキープ。患者さんには申し訳ないですが、失敗を重ねて技術を磨いていく形でした。

3.いちから勉強
成人の知識・技術は全てゼロの状態なので、解剖整理から疾患・薬まで全ていちから勉強です。
稀にNICUの知識・技術が役立つ時もありましたが、それだけでは成人病棟で働く事は出来なかったので、仕事終わりや休みの日はひたすら勉強していました。

4.多重課題ばかり
NICUで働いていた時は、受け持ちは多くても3人でしたが、転職後は10人以上が当たり前。人数が多い上に、検査・手術出しなども重なり、常に多重課題でした。
本当に未知の環境だったので、仕事の回し方がわかるまで半年程かかりました。

5.経験年数で見られる
NICUの経験はありますが、成人病棟経験はゼロ。そのため、出来る事なら1年生として指導をしていただきたかったですが、それは難しいようです。
転職時は中途採用となるため、基本的に経験年数で対応されます。そのため、人手が足りない病院であれば、入職後数か月でリーダーや責任者を任されます。
これに関しては、転職時だけでなく同じ病院内の異動も一緒です。私の先輩や後輩も成人病棟異動後は、即戦力として働く形でした。

転職してよかったこと
そんな怒涛の転職でしたが、良いことも沢山ありました。
1.可能性が広がった
成人病棟の知識・技術があると、他のクリニック・訪問入浴・施設など、働ける場所が増えます。今まではアルバイトとか考えた事がなかったのですが、転職後は休日に働く事もでき、自分の可能性がどんどん広がるのを実感しました。

2.違った楽しさがあった
赤ちゃんも可愛かったのですが、おじいちゃん・おばぁちゃんもとっても可愛いくて、成人ならではの楽しさがありました。あとは、直接コミュニケーションが取れる分、自分のやった事を直接褒めてくれたり感謝をしてくれる人もいたので、モチベーションの維持もしやすかったです。

3.参考資料・教材が多い
NICUの参考教材は数・種類が少ないため、なかなか希望の内容が見つからない事が多かったです。成人の参考資料・教材は倍以上のラインナップなので、勉強をする際にもすごく楽だったのを覚えています。

今現在の過ごし方
私は今一定期間病棟で働いてきたので、少しばかり現場を離れ、アルバイトや派遣をして過ごしています。
訪問入浴・施設・保育園・行政施設など様々な職場に行きましたが、NICU・成人どちらの知識・技術も活用する事が出来ているので、今回の転職はとてもいいきっかけだったと感じています。

転職に関するQ &A
ここからは、転職に関するQ&Aをお届けします。転職を迷っている方の参考になれば幸いです。
Q1.NICUと成人で迷ってるのですが、どちらがいいですか?
成人病棟後にNICUに転職する可能性があるのなら、まずはNICUを選ぶことをおすすめします。
理由は、2つあります。1つ目は技術面、2つ目は人間関係です。
1.技術面
1年目から赤ちゃんを対応しておくと、基礎として細かなケアを身につける事ができるので、成人病棟にもすごく役に立ちます。
2.人間関係
成人病棟の場合、様々な年齢の人が1年目として働いているので、NICUから転職しても人間関係は問題ありませんでした。
逆に成人からNICUへの転職の場合、NICUを附属するのは大学病院が多いので、1年目はほぼ新人看護です。そのため、同期との関係を考えると1年目にNICUの方が人間関係面としては楽かもしれません。
Q2.成人看護師でNICUへの転職も可能ですか?
もちろん可能です。私が働いていた職場では、成人病棟で基本的な採血などの技術を身につけたあとに、目標だったNICUに転職したり、もともと助産師でステップアップのために異動してきた方もいます。

Q3.転職して後悔はありますか?
全くありません。むしろ、勇気を出して転職して本当によかったと思っています。

Q4.NICUで働いていたことに後悔はないですか?
全くないです。1年目~NICUで就職し良かったと思っています。そこで働かなければ、分からない事も沢山ありましたし、貴重な病棟で看護を学べたことは自分にとって強みだったと考えています。
それに、今でも関係が続く先輩・同期・後輩にも出会えたので、最初がNICUで本当に良かったです。
Q5.ずっとNICUで働く事に不安があります。転職した方がいいですか?
NICUの看護師は特殊な環境で働くので、将来に対する不安を感じる人は多いようです。しかし、NICUという環境が好きなのであれば、急いで転職をする必要はないと思います。
転職が必要な時は、必ず何か大きなきっかけがあります。私の友達は、産休・育休後に部署異動になって成人看護デビューをしていましたし、助産師として産科に異動した人もいました。
そのため、漠然とした不安でNICUを離れるのはもったいないです。人間その時が来れば順応できるので、タイミングが来るまでは焦らずゆっくりと過ごしていいと思います。

Q6 .今後何を目標に過ごしていきますか?
医療は少しずつ在宅・地域医療に移行していく方向なので、地域の人に関わる仕事が出来ればいいなと思っています。といっても、まだ何をするかは考えていませんが。

転職迷われる方へ
NICUからの転職となると「成人看護に挑戦したいけど勇気が出ない」「成人看護が出来るか不安」と思いがちですが、何事もまずはチャレンジです。
新しい事への挑戦は不安・恐怖がつきものですが、そこを乗り越えれば、新しい何かが見えるかもしれません。
今の頑張りは絶対に次に繋がるので、まずは大きな一歩を踏み出してみませんか?
