病棟の配属希望はどこにする?自分に合った部署・科を見つけよう!


看護師として初めて働く部署ってとっても大事。どの配属先になるかによって、今後の看護師人生が変わると言っても過言ではありません。そのため、配属希望はしっかりと考えて提出する事が重要です。
名前のイメージだけで配属希望を出すと、後で後悔する事になるかもしれません。


部署・科を選ぶポイント
自分に合った部署・科を選ぶ際にはいくつかポイントがあります。
1.急性期・慢性期/外科・内科どちらにするか
急性期・慢性期の違い
急性期、慢性期どちらを選ぶかで、その病棟の忙しさや入院する患者の特色が大きく違ってきます。自分の性格・看護観を踏まえてどちらにするか選択しましょう。

急性期・慢性期は、求められる知識・技術、患者と関わる時間・関わり方が異なってきます。そのため、自分がどのような看護をしたいか、どのように患者に関わりたいかで選ぶ必要があります。
外科・内科の違い
外科・内科は治療の違いがあります。
外科の場合、長期の関わりになる事もありますが、翌日からリハビリに取り組む科もあります。そのため、内科に比べ回転は速いです。
内科の場合、疾患によっては状態が重く、長い期間投薬治療が必要な患者も多いです。そのため、長期的な関わりが必要となってきます。慢性期のように、寄り添う看護が必要となります。
2.どのような看護技術・知識を学びたいか
病院では脳・心臓・消化器など専門とする身体の部位により、細かく部署分けされています。
そのため、自分自身が身体のどの部分を学びたいのか(どの科を学びたいのか)、どのくらいの状態の患者を見れるようになりたいのか(軽傷か重症か)で選定すると、自分に合った部署・科が自然と決まりますよ。
3.将来どんな看護師になりたいのか
認定看護師をとる・地域の看護師として活躍など、自分が目指す看護師像によって必要な知識・技術が異なってきます。
目標に近づくためには、目標に必要な知識・技術を学べる部署を選ぶことが重要です。

部署・科の種類
部署選びのポイントを踏まえた上で、次はどんな部署・科があるのか見ていきましょう。
救命救急系
救急外来(ER)
運ばれてきた患者の初期診療・治療をする部署。様々な状態の患者を対応しなくてはいけないため、患者に必要なケアを即座に判断し動く必要があります。
救急外来は、その病院が何次救急かで重症度が変わります。

緊急時の対応ができるようになる。確実な看護ケアを提供できるようになる。(ルートキープや採血など素早くできるようになる)
ICU・HCU
状態の悪い重症な患者、手術後の患者など急性期の患者が入院する病棟。循環器・消化器など様々な疾患の患者が入院します。
人工呼吸器や人工心肺など医療機器を使用している患者が多く、高度な知識・技術が必要。急変などのリスクも高いため、ER同様に臨機応変に動く必要があります。
人工呼吸器などの高度医療機器の技術&知識・緊急時対応・モニターの読み方など学ぶことができる。
SCU
脳神経外科の急性期病棟。脳血管疾患発症後の状態が不安定な患者、手術後の患者が入る病棟です。
意識レベルだけでなく、言語障害や手足の動きなど脳の障害から起きる変化に気が付く知識・観察力を身に着ける事ができる。
CICU・CCU
心臓・循環器系に特化した救急病棟。ICUのように、人工心肺・人工呼吸器など多くの医療機器が装着されています。
緊急時の対応はもちろん、循環器に関する知識・技術を身に着ける事ができる。


小児・新生児
小児科
0歳児~成人までのケアを行うのが小児科。
将来認定看護師「小児救急看護」の取得を目指す方や、地域の保育園や幼稚園など子どもと関わる仕事をしたい人には、特におすすめです。
小児看護の技術・知識だけでなく、幅広い疾患を学ぶことができる。
NICU・GCU
2,500g以下の小さな赤ちゃんや、その他出生直後に状態が不安定な赤ちゃんが入る救急病棟。人生の始まりに関われるのは、産科とNICUのみ。貴重な経験を積む事ができます。
認定看護師「新生児集中ケア」の取得や、今後助産師を目指す方にもおすすめです。
人工呼吸器などの高度医療機器の知識・技術はもちろん、赤ちゃんだけでなく両親への指導も行うため、家族ケアについても学ぶことができる。

婦人科・産科系
婦人科
疾患:子宮筋腫・子宮内膜症・子宮頸がん・卵巣がんなど
女性専用の病棟。女性特有の疾患がメインとなります。
女性ならではの疾患の知識や苦難・葛藤を抱える患者に寄り添う看護ケア・技術を身に着ける事ができる。
産婦人科
出産前の妊婦・出産後の褥婦、生まれたばかりの赤ちゃんが入院する病棟。
NICU同様、人生の始まりにたずさわれる貴重な科です。
出産前後のケアや、出産の立ち合い、赤ちゃんの指導(沐浴・授乳など)を経験・学ぶ事ができる。

脳神経外科
疾患:脳梗塞・脳出血・くも膜下出血など
脳を専門とする病棟。SCUが附属している病棟の場合は、SCUで急性期を脱した患者が入院します。
SCUや脳神経外科の看護師の中には、認定看護師「脳卒中リハビリテーション看護」の取得を目指す方もいます。
SCU同様、意識レベルや脳に関連する症状の知識・観察力などが身につく。
消化器外科・内科
疾患:食道がん・胃がん・虫垂炎・胆石症・肝炎など
消化器専門の疾患を対応する科。外科・内科で対応する疾患が多少異なる事があり。消化器外科の場合、手術からリハビリ・退院までの流れが速いため、患者の回復・退院まですべてに関わります。
消化器疾患の知識だけでなく、ストマなどでボディイメージが変わった患者への関わり方や、在宅へ移行する際の指導なども学ぶことができる。

循環器内科
疾患:心不全・心筋梗塞など
心不全・心筋梗塞など心臓にたずさわる病棟。内服治療だけでなく、カテーテル検査や人工呼吸器も扱う事もあります。認定看護師「慢性心不全看護」にも役立ちます。
CICU・CCU同様に心電図など循環器に関わる知識・技術を学ぶことができる。時には人工呼吸器なども使用するため、呼吸器についても学べる。
心臓血管外科
疾患:大動脈解離・弁膜症・閉そく性動脈硬化症など
下肢静脈瘤や、下肢動脈閉塞など末梢の血管や、心臓のOPEなど血管に関わる部署です。
心臓だけでなく末梢循環なども見ていく必要があるため、細かな観察力が身につきます。循環動態について学ぶことができる。
血液内科
疾患:白血病・多発性骨髄腫・リンパ腫など
血液のがんなど血液に関わる部署。長期療養が必要な患者が多く入院します。
疾患に対する知識だけでなく、メンタルフォローなども必要。患者に寄り添った看護を学ぶことができる。
呼吸器外科・内科
疾患:肺がん・COPD・気管支喘息・気胸など
肺がん、COPDなど呼吸状態に関わる部署。呼吸状態が悪いと人工呼吸器など医療機器も使用する事があります。認定看護師「慢性呼吸器疾患」を取る際も知識を活用する事ができます。
人工呼吸器、酸素療法、ドレナージなど呼吸に関する知識を深く学ぶ事ができる。
泌尿器科
疾患:前立腺がん・尿路結石・膀胱炎など
若い人から高齢者まで様々な患者が入院する病棟。動ける患者も多いのが特徴です。
消化器外科同様に尿路ストマをつけボディーイメージの変化がある患者の対応や、泌尿器科ならではの排尿障害の観察力・INOUTの管理が身につく。
整形外科・形成外科
疾患:骨折・ヘルニア・外傷など
骨・皮膚などに関する疾患が専門の病棟。他病棟と異なり、意識鮮明な患者が多い。バイタルサインだけでなく、手足の動きや傷の状態などの観察が必要です。
包帯やシーネの固定技術や、骨折・外傷時の対応の仕方を学ぶことができる。
耳鼻科・眼科
疾患:中耳炎・副鼻腔炎・白内障・網膜剥離など
耳鼻科・眼科は病棟の回転が速く、日帰りや1泊2日など入院期間が短いのがポイントとなります。
耳鼻科・眼科の疾患を学べるだけでなく、耳鼻科・眼科術後の観察ポイントなども学ぶことができる。

精神科
疾患:うつ・統合失調症など
精神疾患はとても特殊で、見えないものが見えたり、聞こえたり(幻聴・幻覚)します。そのため、疾患の事を十分理解して対応する事が大切です。
精神疾患の知識、精神疾患を患う人への対応を学ぶことができる。

特殊な部署
手術室
手術の流れだけでなく、解剖についてなどの知識も学ぶ事ができます。オペ室看護師の技術は、認定看護師「手術看護」や美容クリニックなど手術を行うところでも活用する事ができますよ。
また病棟に異動してからも、手術についての具体的イメージが出来ている分、病棟看護師とはまた違った目線で患者の観察を行う事ができます。

内視鏡センター
内視鏡の流れ、介助方法などを学ぶことができます。健診センターなど内視鏡が含まれる部門で今後活躍する事もできます。

透析室
透析で使用する医療機器の知識・透析を受ける患者の対応・シャントへの穿刺技術を身に着けることができます。
透析室で得た知識は、地域の透析クリニックや、認定看護師「透析看護」にも役立てますよ。


自分にあった部署はどこ?
いかがでしたでしょうか?
- 自分の性格上どのような看護が合っているのか
- 何を学びたいのか
- 将来どうなりたいのか
人によって選ぶべき部署が大きく変わってきます。
実際働いてみないとその部署・科の詳しい特色は分からないかもしれませんが、しっかりと目的・根拠を持って選んだ部署であれば、どんな辛い時でも目標に向かって頑張れるはずです。

まとめ
- 配属先を決めるには、自分がどのような部署・科を望んでいるか考える。
- 部署・科によってそれぞれの特徴があるため、理解した上で選ぶ事が大事。
- 自分の意志で選んだ部署であれば、どんな時も頑張れる。目的・根拠を持って選ぼう。
将来目指している看護師像に少しでも近づけるように、頑張ってください!