これが分かれば大丈夫!新生児看護で大切な5つのポイントとは!?

今回はNICU新人看護師さんに向けて、新生児看護をする上で大切な5つのポイントをお話していきます。この4つのポイントを意識しているかどうかで、赤ちゃんのケアの仕方が大きく変わるのでぜひチェックしてください。

記事を読むメリット
- NICUに入院する赤ちゃんの特徴を学べます。
- 正期産児・早産児の違いを説明できるようになります。
- 新生児看護のポイントを知る事ができます。
NICUに入院する赤ちゃん
NICUに入院している赤ちゃんの多くは早産・低出生体重児です。それぞれの定義がこちらになります。
早産児も低出生体重児もNICU入院の対象となりますが、重要視してほしいのが体重よりも赤ちゃんが生まれた週数です。

低出生体重児でも正期産で生まれた子は、身体の機能が成熟した状態で生まれてきます。体重が小さいことで、一時的に低血糖になったりしますが、色々な防御機能などが備わっているので、元気に退院していく事が多いです。
しかし早産で生まれた場合、身体の機能が整う前に生まれてきてしまいます。すると、感染・刺激に対する防御機能が出来ていないので、私たち看護師のケア次第で重大な合併症・後遺症を負ってしまうリスクがあります。


早産児の特徴
全ての機能が未熟
早産児とは在胎22週~37週未満で生まれた児の事を言います。早産児(37週未満)と正期産児では何が違うのか。分かりやすいようにそれぞれの違いを表にしてみました。
正期産児 | 早産児 | |
呼吸 | 周期性呼吸あるも自力回復可能。 |
|
循環 |
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|
神経 |
ある程度の音・光刺激があっても対応できる。 |
音や光刺激にも敏感。 |
皮膚 | 大人より敏感な程度。 | 脆弱(ぜいじゃく)。皮膚トラブルを起こしやすい。 |
免疫 | 感染症に対する免疫がある程度ついている。 | 免疫機能が弱く感染しやすい。 |

早産児に起こる合併症

看護の時に大切な5つのポイント
NICU新人看護師さんだから実践してほしい看護に大切な5つのポイント。それがこちらです。
- 触る時は手の平でゆっくり優しく。
- 聴診器や手はしっかりと温める。
- 騒音を立てない。
- 皮膚の観察を怠らない。
- 1処置1手洗いを徹底する。

1.触る時は手の平でゆっくりと優しく
赤ちゃんは刺激に敏感なので、いきなり触ると驚いてバイタルサインが崩れたり、無呼吸を起こす可能性があります。触る時のポイントとしては、手の平でゆっくりと包み込むように触ってあげる。出来れば両手を使ってお尻を包み込んであげるとよりGood!
ホールディングは、未熟な赤ちゃんを安心させてあげる効果もあるので、おすすめの触れ方です。


2.聴診器や手はしっかりと温める
学生時代に「聴診器を当てる前に手で温めて」と習ったと思いますが、新生児看護ではこれがすごく大事。何もせずにいきなり聴診器を当てると、聴診器の冷感刺激で赤ちゃんがびっくりしてしまいます。特に重症な子に触れる時は、冷感刺激が命取りになるので十分注意してください。
また、盲点になりやすいのが自分の手の温度。手を洗った後にすぐに触ると、それも冷感刺激となります。赤ちゃんに触る前は「自分の手が冷たすぎないか」をしっかり確認してから触ってあげましょう。
3.騒音を立てない
私たちは騒音だと思っていなくても、赤ちゃんにとっては大きなストレスになっている事があります。


4.皮膚の観察を怠らない
意外と見逃しがちなのが皮膚。受け持ちの時には必ずチェックをしてください。
中心静脈栄養の漏れ
本来太い静脈に入っているべき点滴が血管外に漏れる事で起こります。もし漏れた場合、ルートの挿入部周辺の発赤・腫脹が見られる事があります。その際は早急に先輩看護師・医師を呼び、ルートを抜去してもらいましょう。
末梢ルートの漏れ
新生児の末梢ルートは、手背・足背に挿入する事が多いです。
これらの兆候がある時は、漏れている可能性が高いので先輩看護師に必ず相談しましょう。

経管栄養の固定テープによるかぶれ
長期間経管栄養をしていると、テープによるかぶれを引き起こす事があります。そのため、毎回テープ周囲の皮膚状態を確認し、張り直しをする際は前回の位置とずらして貼るなど工夫しましょう。
また、テープをはがす時もリムーバーを使ったり、濡れたガーゼで濡らしながらゆっくり剥がす事をおすすめします。

SpO2プローブによる低温熱傷
大人の場合は指に挟むタイプのプローブを使うのですが、赤ちゃんの場合サイズが小さいので基本的にテープタイプを使います。プローブのセンサー部分は低温ではありますが熱をもっていて、その熱で水疱が形成される事があります。
そのため、受け持ちをしている時プローブで皮膚トラブルが起きていないか必ずチェックしましょう。
5.1処置1手洗いを徹底する
赤ちゃんで一番怖いのが感染症。一度感染症になってしまうと、菌の種類によっては症状が治った後も赤ちゃんは一生保菌者として生きる事もあります。
1処置1手洗いは看護師の基本ではありますが、これが徹底出来ている人はなかなかいません。30秒間手の平・指を石鹸で洗い、最後はアルコール消毒。新人の時から習慣づけていきましょう。

さいごに
初めての新生児看護は緊張の連続だと思いますが、この記事で述べた4つのポイントを守っていれば、きっと赤ちゃんに優しい看護を実践できます。
一番大切なのは「早く仕事を終わらす」「先輩看護師に迷惑をかけない」ではありません。「赤ちゃんにストレスを与えない丁寧で優しい看護を提供できる事」です。新人看護師さんだから出来る事がNICUにはたくさんあります。大変だと思いますが、素敵な看護師さんになれるように頑張ってくださいね。